歯のQ&A

Q

虫歯とは

A

虫歯は虫歯菌が原因となってお口の中に酸が発生し、歯が溶ける病気です。
初期の虫歯は、エナメル質という歯の表面が白く濁る程度で、痛みはありません。その後徐々に虫歯が進行して、象牙質や歯髄(神経)へ虫歯菌が侵食し、歯髄(しずい)に虫歯が達すると、歯茎の腫れや強い痛みを感じるようになります。初期の虫歯は、歯を削らずにフッ素の塗布によって自然治癒を促し改善しますが、象牙質まで虫歯が進むと歯を削ってつめ物(インレー)やかぶせ物(クラウン)で穴を塞ぎます。

Q

歯の神経を取るって?

A

歯髄は神経だけでなく血管も多く集っていて、歯への栄養供給や修復を担っている組織です。虫歯が歯髄まで進行してしまった場合は、神経を取る必要がありますが、根管治療を行うことで歯を温存できようになります。

Q

根管治療とは?

A

根管(歯の根)に細菌が感染した場合は、感染した箇所を除去しなければいけません。この処置を根管治療と言います。

根管治療は、根管内をきれいに洗浄・殺菌したのちに、防腐剤を充填して根管を封鎖しますが、根管内に細菌が残っていると虫歯が再発するので、無菌状態にできるよう精密に治療を行う必要があるのです。

また、通院回数が多く、治療中に痛みを感じることもある根管治療ですが、抜歯を避けて歯の温存するためには欠かせない治療です。

Q

歯の土台って?

A

重度の虫歯や、歯が破損した場合など、歯に十分な歯質が残っていない症状には人工の土台(コア)をつくり歯の補修をします。この治療を支台築造と言いますが、支台築造が十分にできていないと、かぶせ物を装着してもすぐに取れたり残っている歯が割れてしまうので、精密さが求められる治療です。

またどのような素材を使って支台築造をするかによっても、歯根の破折など歯の寿命が変わります。以前は主に金属で補強をしていましたが、現在では歯とほぼ同じ硬さと柔軟性があるグラスファイバーを使ってできるだけ残っている歯に負担をかけないように治療を行っているのです。

Q

歯周病ってどんな病気?

A

歯周病とは、歯周病菌によって歯を支えているあごの骨が溶けてしまう病気です。30代以上の日本人の80%が歯周病にかかっているというデータがありますが、歯周病の初期は、痛みがなく、気づかない場合がほとんどなので、定期検診などを受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。

Q

ブリッジってなに?

A

虫歯やケガなどで歯を失った場合の治療の選択肢に、ブリッジがあります。歯がない部分の両隣の歯を削り、人工の歯(かぶせ物)を装着して歯を補修する治療です。数本の歯が一つにまとまっている形が橋(ブリッジ)のように見えることから、このように呼ばれています。

ブリッジは、健康な歯を削らなければいけないというデメリットもありますが、保険適用の治療もあり安く治療ができることがメリットといえるでしょう。

Q

部分入れ歯ってどんな入れ歯?

A

上あごまたは下あごの歯が1本でも残っている場合、残っている歯にバネと呼ばれる留め具で装着する入れ歯を部分入れ歯と言い、歯が1本だけ欠損した場合でも作ることができます。

また、部分入れ歯は、大きくわけて「保険適用」と「自費診療」の2種類あり、自費診療の場合は、入れ歯の素材や製造工程もかわるので、装着時の快適性やしっかりと噛める「咀嚼(そしゃく)力」が期待できるのです。

Q

総入れ歯ってどんな入れ歯?

A

総入れ歯は、上あごまたは下あごの歯が1本もない場合でも、吸盤の力を使って装着するので歯の補修ができます。部分入れ歯同様、2種類の総入れ歯があり、できるだけ治療費を抑えたいという方には保険適用の入れ歯を、また快適性や咀嚼力を求める方には自費診療の入れ歯をおすすめしています。

Q

インプラントってなに?

A

インプラントとは、歯の抜けた部分の骨 (歯槽骨)にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に義歯を取り付けて失った歯を補修する治療のことです。

しっかりと物が噛める、天然の歯のような見た目で自然な歯を手に入れられる、ブリッジのように歯を削る必要がないなどの理由からインプラントはとても人気があります。

Q

インプラントの耐久性は?

A

インプラントは定期的にメンテナンスを受けていれば、10年間使用した場合でも90%以上が使用できているというデータがあります。人工の歯なので、虫歯になることはありませんが、人工の歯根(インプラント体)をあごの骨に埋めているので、骨を溶かす歯周病は大敵です。

歯磨きは、歯ブラシ以外に糸ようじや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどを使って丁寧なケアを心がけましょう。

インプラントの歴史は40年ほどですが、初期に治療をした方でも丁寧なメンテナンスで現在も機能している症例はたくさんあります。このようにインプラントを長期間使用するには、3ヵ月に1回の頻度で定期検診と歯石の除去をしながら日々セルフケアを丁寧に行うことがおすすめです。

Q

歯の移植ってなに?

A

歯の移植とは、親知らずや埋伏歯(骨の中に埋まっている歯) を抜いて、別の場所に植えることです。

セメント質の歯根の表面と、歯槽骨(しそうこつ)の間を結びつける「歯根膜」が健康な歯であれば、別の場所に移しても歯槽骨と結合し、元から生えていた歯のように機能させることができるのです。

Q

不自由がないから、歯が一本くらいなくても大丈夫?

A

あごに並んだ歯は両隣の歯と支え合っているので、固定しているように見えても実は少しずつ動いています。そのため歯が一本抜けるとあごにスペースができ、歯は動き出します。そしてさまざまな方向に倒れて、歯列が大きく乱れてしまうので注意が必要です。

また、歯並びが乱れると歯と歯が重なった場所に食べかすが残り、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。このように抜けはじめは問題がなくても、歯列の乱れ、物がうまく噛めない、虫歯などの支障が次第にでてくるため、一本だからと軽視せず適切な治療を受けましょう。

Q

知覚過敏ってなに?

A

冷たいものを飲んだり、風が当たるなどの刺激で「キーン」と歯がしみる状態を知覚過敏といいます。虫歯や歯周病、歯ぎしり・食いしばりなどが知覚過敏の主な原因ですが、これらの原因を取り除くことで、症状は改善されます。

Q

親知らずのトラブルってよく聞くけど?

A

親知らずは真ん中から数えて8番目の歯です。親が口の中を見ない20歳前後に生えてくるため、「親が知らないうちに生えた歯」としてこのように呼ばれるようになったと言われています。

歯茎の中に完全に埋まっていて、歯並びに影響がない親知らずは、無理に抜く必要はありません。ただし、なくても機能的に支障がないことや虫歯や歯並びの乱れを引き起こす可能性があるので、トラブルが発生するまでに抜歯をする方もいらっしゃいます。

代表的な親知らずのトラブルは、歯列の乱れです。硬いものを食べない現代人のあごは小さくなり、親知らずが生えるスペースが狭くなっていることから、歯列の乱れを引き起こすトラブルが発生しています。その他、親知らずが斜めに生えるなど歯茎から少ししか出ていないと、歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病を引き起こす場合もあるのです。

Q

妊娠すると歯が悪くなるってホント?

A

妊娠すると歯が悪くなりやすいのは事実です。ただし、子どもにカルシウムなどの栄養が取られるからという話は迷信で、「悪阻(つわり)で歯が十分に磨けない」、「ホルモンバランスの変化」が主な原因。

このようなことから、妊娠中は歯科検診を受診して虫歯や歯周病がないかを定期的に確認しましょう。ただし、安定期に入るまでは治療ができないケースがほとんどのため、妊娠前に口腔内の環境を整えておくことが理想的です。

Q

ケガで歯が折れちゃった!どうしたらいい?

A

折れたり欠けてしまった歯は、簡単に水で洗い、乾燥させないように水につけてご持参ください。ケガをしてから30分以内であれば、歯科用のボンドで歯を接着できますので、できるだけ早く歯科医師にご相談ください。

しかしぶつけたときの刺激で歯の神経が死んでしまうことがあり、症状によっては根の治療が必要です。

抜けた歯が乳歯の場合、いずれ永久歯が生えてくると放置してしまう方もいらっしゃいますが、歯並びを悪化させ、歯が抜けた部分が感染するリスクもあるので、早めに治療を受けましょう。

Q

レントゲンって身体に悪い?

A

エックス線の被爆による白血病や胎児の奇形などを心配される方は、少なくありません。しかし、胎児の奇形の危険性があると言われているのは、最も影響がでやすい妊娠4~10週に、腰椎のレントゲン検査の200倍以上もの被ばく線量を浴びた場合ですので、必要以上の心配はいりません。

また、当院のレントゲンは胸部CT撮影の4万分の1以下です。また、デジタルレントゲンの場合にはさらにそれの10分の1の被爆量しかありませんので、妊娠中の方やお子様にも安心して受けていただけます。

Q

顎関節症ってなに?

A

あご関節や咀嚼筋の痛み、あごを動かしたときの雑音、口をあけにくいなどの症状をまとめて顎関節症(がくかんせつしょう)と言います。下あごは他の部位と異なり、二個の関節で動き、両方の関節が前方にずれることもあるため関節の障害が出やすく、噛み合わせが悪いと、あごに痛みを感じる場合があるので注意が必要です。

顎関節症は慢性の疾患のため、すぐに症状が改善されることはありません。ゆっくりと丁寧に治療を行うことがとても重要です。

Q

蓄膿症って鼻の病気?

A

蓄膿(ちくのう)症 は、上顎洞(じょうがくどう)と言われる頬骨の下にある空洞に膿がたまる病気です。上顎洞は鼻とつながっているので、鼻からバイ菌が入って蓄膿症になる場合もあります。

上あごの奥歯が原因で発症する蓄膿症を上顎洞炎と言いますが、鼻が詰まったり、鼻声になるなどの症状があります。更に奥まで菌が侵入すると、菌血症となり発熱などを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。